中村文則 遮光
こんにちは、キートンです。
昨日は脚の節々が痛く、ズキズキとして眠れない位で、
こ、これはまさか・・・冬場猛威を振るうあの感染症か?!
とドキドキしていたのですが、
今朝起きたら何事もなかったかのように元気なわたくしでございます。
さて、私の勤める会社はとても小規模のため、社長とは仲良しです。
かつて文学青年だったという社長から、本をお借りすることもしばしば。
あの本読みました?どうでした?今度お借りしても良いですか?
なんて言っているうちに、
先日はついに、私のデスクに何の予告もなく本が置いてあったのでした。
ただ私はエンジンがかからないとなかなか本を開けなくて、
今や未読の本は6冊に及びます。
今週退職とは思えない体たらくです。
読まずに返すのはさすがにアレなので、とにかく読めるところまで読もうと思い、
本日はその中でも一番薄い小説を手に取りました。
賛否両論というか、万人受けはしないでしょう。
でも私は嫌いではありません。
先入観を持たずに読みたい方は、以下、スルーして下さいますようお願いいたします。
*
中村文則という小説家を、私は知りませんでした。
表紙も見ず、あらすじも帯も読まず、なんの予備知識もないまま読み始めたのですが、
何かがおかしいぞ、とすぐに思いました。
一人称は「私」。
闇のある暗いお話で、人間の狂気が描かれていて、
怖いけれども同時に、ふと、主人公の心境を理解できるのです。
嘘と現実の境目をふらふらと漂っている感覚。
私は、感情が高ぶると過呼吸になってしまう時がまれにあります。
苦しい、誰か助けて、というフレーズだけが頭の中をぐるぐるとします。
でも実は、苦しんでいる自分を演じているような、
一歩引いてみることのできる冷静さも持ち合わせていて。
この主人公の狂気が淡々と描写されているようで、
しかし本質は、実はそんなに特異なものではなくて、
きっといろんな人が、多少なりとも感じているのではないか。
と、思いました。
後味の良いお話ばかりではなさそうですが、楽しみです。
それでは。
\(^o^)/